中団のトップ候補にトロロッソ・ホンダが浮上。アロンソは逆襲を誓う (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「去年はフォースインディアだけが中団トップにいて、中団グループのなかでは速いけどトップに追いつくほどの速さはないという膠着(こうちゃく)状態だった。でも、今年は中団グループが恐ろしいほどの接戦で、勢力図が毎レースのように変わる。

 メルボルンではハース、ルノー、マクラーレン、トロロッソの順だったけど、バーレーンではトロロッソ、ハース、ルノー、マクラーレンの順だった。中団の勢力図は、まだ誰にもわからない。エキサイティングだと思うし、F1にとってもいいことだと思うよ」(グロージャン)

 そんななかで、1.2kmのバックストレートがある上海は、非力なホンダにとってこれまで厳しいサーキットのひとつだった。しかし、ストレートの多いバーレーンでわかったように、今年のトロロッソのマシンパッケージは空力効率が高く最高速が伸びるため、少なくともストレートで大きなハンディキャップを背負うことはなさそうだ。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

「まだまだ楽観視はしていません。ですが(バーレーンでの活躍で)悲観する必要もなくなったというのが我々にとっては大きな材料だと思っています。お先真っ暗な状況のなかでガムシャラに走っているわけではない、ということが自分たちのなかでもしっかりと掴めたことが大きかった」

 シーズン序盤のフライアウェイ(欧州以外の)4戦のなかでもっとも中高速コーナーが多く、通常のグランプリサーキットと言える上海では、もっとも正確に今の勢力図が映し出されることになるはずだ。レースごとに入れ替わる中団グループの勢力図のなかで、トロロッソ・ホンダが上海でどのような走りを見せてくれるか、楽しみだ。

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