中団のトップ候補にトロロッソ・ホンダが浮上。アロンソは逆襲を誓う (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「全体的なペースでは、トップ3チームからは大きく後れを取っている。同じパワーユニットを搭載するレッドブルとも大きな差があるし、改良が必要なのは疑いようのない事実だ。

 今年、僕らはルノー製パワーユニットを搭載する他のマシンと直接比較ができるようになったわけで、(最高速が伸びないのが)セットアップの方向性によるものなのか、それともマシン設計自体を見直さなければならないものなのか、今後数戦で僕らがどんな解決策を見いだせるのか、今チームは調査しているところだよ」(アロンソ)

 昨年、中団グループのトップにいたフォースインディアは苦戦を強いられている。資金不足のためマシン開発が遅れ、開幕戦にぶっつけ本番で投入した2018年空力パッケージが使いこなせずにいるからだ。

「2018年型パッケージを学習していっている途中という状態。バーレーンで投入したフロントウイングが思ったように機能してくれなかったことも事実だが、問題はフロントウイングだけに限らずマシン全体。少しずつ改良していくしかないが、本格的なアップデートはバルセロナ(第5戦)まで待たなければならない」(チームのエンジニア)

 セルジオ・ペレスは「中団グループはこれまで以上にタイトだし、シーズンを通して激しい戦いが繰り広げられることになると思う。ハースとトロロッソがもっとも速いけど、中団はとてもタイトだから、僕らもできるだけ早くそのギャップを縮めて中団トップの争いに加われればと思っているよ」と開発による浮上を願っている。昨年も実際には、シーズン序盤はマシンパフォーマンスが低く、戦略で入賞を続けながら開発を追いつかせていってのランキング4位確保だったが、今年もその再現を狙っている。

 いずれにしても、極めてタイム差がタイトなだけに、サーキット特性とマシン特性の相性によって、毎レースのように勢力図は入れ替わることになりそうだ。チームにとっては厳しい戦いだが、見る側にとってはこれほど面白いことはない。

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