佐藤琢磨、テストであんなに速かったのに...。次戦こそ巻き返せるか (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 それでも予選では多少のセッティング向上がなされ、琢磨は13位に浮上、グレアムも12位だった。続いて行なわれた1時間のファイナル・プラクティスで、RLLはさらなる改善策を求めて2台で異なるセッティングをトライ。テストでのデータも検討して決勝用マシンを作り上げた。 

 予選よりさらに暑い1日となったレースで、琢磨は序盤、予選順位をほぼ守って戦った。レースで使われているのと同じファイアストン・タイヤのコンパウンドを特性トレーラーで路面に擦りつけて走行ラインを広げようというインディカーのトライはほとんど効果を示さず、狭いレーシングラインを少しでも外れるとタイヤかすに乗ってコントロールを失う難しいコンディションが続いた。

「予選が終わってから決勝スタートまでには1回しかプラクティスがなかった。そこで方向性だけでも見極めようとトライしたけれど、その中にもよくない部分があって、結局テストでのマシンに近づける方向に戻し、今回のコンディションに合わせるセッティングも施した。そんなにすごくよくなるというのは現実的に難しいことだとわかっていたけれど、少なくとも予選以上にいいパフォーマンスは発揮できるだろうとは感じていた」(琢磨)

 ルーキーのピエトロ・フィッティパルディ(デイル・コイン・レーシング)は初オーバルレースでの洗礼を受け、ターン4外側の壁にヒット。昨年度インディライツチャンピオンのカイル・カイザー(フンコス・レーシング)もクラッシュでのリタイアを余儀なくされた。レース終盤にはインディカー2年目のエド・ジョーンズ(チップ・ガナッシ・レーシング)が2位走行中にクラッシュした。驚いたことに、2014年チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)もターン4のウォールにヒットしてリタイアした。

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