アロンソに勝ったトロロッソ・ホンダ。
4位が示すチームの良好な関係

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 予選6位・決勝4位という結果ばかりが目立つが、実際にはトロロッソ以降の中団グループは接戦で、Q3進出組からQ1敗退組までが0.5秒差でひしめくような勢力図だ。

 そのなかで、アップデートやコース特性、そしてセットアップ変更によるコンマ数秒のゲインが、トロロッソの順位を大きく押し上げたのだ。

「各チームの各マシンには、それぞれいいところとよくないところがあり、特定のサーキットに合っているところもあるだろうし、中団グループは差がすごくタイトなだけに、そこでのコンマ1秒単位の違いで勢力図は簡単に入れ替わってしまうだろうね。短期的に見れば、中団グループのトップはレースごとに入れ替わってもおかしくないだろう。中団グループが非常にタイトなだけに、そこから抜け出せるかどうかは、ここからの開発競争がカギを握っている」(キー)

 一方でパワーユニットは、何も問題を抱えることなく週末を走り切った。

 開幕戦で起きたMGU-H(※)のトラブルはHRD Sakuraで完全に解明され、その対策を施したコンポーネントがきちんと機能したかたちだ。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

「レース中も問題ありませんでしたし、レース中のデータも今細かく見ているところですが、基本的にまったく問題はなかったですね。メルボルンのトラブル自体はこれまでに起きたとの同じようなものですが、トラブルの主原因はこれまでにトラブルがなかった想定外のところにあり、(トラブルが起きる過程の)形態が異なるものでした。その破損原因の推定と特定を行なって、できるかぎりの対策を施したものを持ち込んできましたが、現状では今回持ち込んだ対策がうまく機能していると思っています」(田辺豊治テクニカルディレクター)

 トラブル自体は想定外とはいえ、実はホンダが開幕戦に向けてテストで使用したのは異なる新仕様のMGU-Hで、その開発を進めていたものが今回バーレーンに持ち込まれた。

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