F1昇格へのレールは敷かれた。日本人ドライバー2人のノルマは? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 8~9月には4週間連続で『SF→F2→F2→SF』というのもあるし、そこをアジャストするのは難しそうだなという感じはします。F2はフリー走行が45分しかないし、予選はいきなりオプションタイヤでアタックなので、SFで走ってから臨んでいる今週末も少し不安はあります」

 福住のチームはレッドブルのクリスチャン・ホーナーが共同オーナーを務めているとはいえ、ここ数年は低迷が続いていたアーデン・インターナショナル(イギリス)、そして牧野のチームは昨年のチーム王座を獲得したとはいえ、政治的な理由で参戦決定が2月までずれ込んでしまったロシアンタイム(ロシア)と、それぞれに不安を抱えながらのシーズンインだった。開幕前テストではメカクローム製の新型ターボエンジンにトラブルが多発し、必ずしも順調とはいえなかった。

「バーレーン最終日の午前中にみんながニュータイヤを入れてタイム比較ができる重要なタイミングで、僕はギアボックストラブルが出てしまって走れなかったんです。そこが見えていない不安は、まだちょっとあります」(福住)

 一方の牧野はマクラーレンの今井弘エンジニアを訪ね、熱心にタイヤの使い方についてアドバイスを受けて、そのビハインドを取り戻そうと努力していた。

「正直言うとテストでは十分に走り込めていないので、準備万端かと言われると、まだ50%くらいしか準備できていないような感覚です。ウチはトラブルが多くてレースランができていないんです。だから今井さんの手を借りて、少しでもよくなればと......」

 しかし、懸念されていたエンジニア能力やチーム体制は、思いのほかよさそうだった。

「参戦決定が遅れたのでエンジニアが離脱するかもという話も聞いていたんですけど、フタを開けてみたら全員そのまま残ってくれたので、チームの中身は去年チームタイトルを獲ったときと何も変わっていないし、体制的な不安はありません」(牧野)

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