「日産の星」がトップフォーミュラに参戦。千代勝正が速さを証明する (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 萩庭桂太●撮影 photo by Haginiwa Keita

 しかし、その後は第5戦・富士でクラッシュしてケガを負うなど、なかなか歯車が噛み合わないレースが続く。2016年はそのまま未勝利に終わり、2017年も第4戦・SUGOでは2位表彰台に立ったものの、いまだGT500での初勝利はお預けのままだ。

 そして迎える2018シーズン。スーパーGTでは引き続き本山哲と組んで参戦するが、チームが昨年までのMOLAからNDDP RACING with B-MAXに変更となった。GT500初参戦の若いチームだが、オフのテストからひとつひとつ作業を確認しながら、着実に準備を進めているという。

 GT500参戦3年目となる千代は、今シーズンへの意気込みをこう語る。

「本山選手と組んで今年で3年目。ここで結果を出さなければいけないなと思っています。スーパーGTで『優勝する』『チャンピオンを獲得する』というのが長年の目標なので、そこは何としても達成したいですね」

 さらに千代は今シーズン、全日本スーパーフォーミュラ選手権にも挑戦することになった。所属チームはB-Max Racing Team。ベースはスーパーGTと同じチームで、こちらは本山が監督を務めて千代のレースをサポートする。

「自分はトップフォーミュラには縁がないと思っていました。ずっとGTレースの路線で来ていましたし、自分のキャリアのなかでスーパーフォーミュラに乗る機会はないだろうと。それが今回、突然チャンスをいただいて、チームと本山監督が自分を選んでくれたことをすごく光栄に思っています。

 5~6年前、自分でスポンサーを集めて何としても(フォーミュラに)乗りたいと思っていた時期は、どんなにあがいてもチャンスを得られなかった。それが今回、突然チャンスが舞い降りてきた。最初は戸惑いましたが、もう一度気持ちを奮い立たせてがんばりたいと思いました。ここでもいい仕事をして、自分の実力を証明したいですね」

 あくなきチャレンジ精神で「己の速さ」を追い求める千代勝正の2018年は、忙しいシーズンになりそうだ。


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