ホンダ、ショック! 開幕戦5位のマクラーレンは本当に速くなったのか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 3つめの幸運は、好調で上位を走行していたハースの2台がピット作業ミスでリタイアしたこと。これで順位がふたつ上がることになった。

 そして4つめにして最大の幸運が、ハースのストップによって導入されたセーフティカー。これが絶好のタイミングで入り、逆転優勝したセバスチャン・ベッテルとまったく同じようにマクラーレン勢も大きなアドバンテージを得て、アロンソはレッドブルのフェルスタッペンとルノーのヒュルケンベルグの前に出ることに成功した。また、ストフェル・バンドーンもカルロス・サインツを逆転することができた。

 さらに幸運だったのは、アルバート・パークが極めて抜きにくいサーキットだったことだろう。これはストレートが十分長くないコース特性もさることながら、タイヤのデグラデーションが小さく、各車のタイヤ状況に差が生まれにくかったことも影響している。

 加えて、アロンソの背後についた2台が同じルノー製パワーユニットを搭載し、ストレートスピードが伸びないマシンたちだったことも幸運だった。その後ろは全車がDRS(※)を使用し続ける状態になり、順位の入れ替わりは困難だった。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。ドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 そんななかで5位を守り切ることができたのは、アロンソが一度もミスを犯さず、チームもミスを犯さなかったからだ。もちろん、懸念されていたマシントラブルもなかった。

 アロンソはレースをこう振り返る。

「今日の僕らはミスを犯すことなく、チャンスを最大限に生かすことができたんだ。チームがパーフェクトな仕事をしたこと、それに尽きるよ」

 フェルスタッペンとのバトルを制したことに、アロンソ自身、大きな手応えを感じ取った様子だった。

「タフなバトルだったよ。ミラーを見れば、常にフェルスタッペンがすぐ後ろにいるんだからね、リスクそのものだよ(苦笑)。彼は才能あるドライバーであり、とてもアグレッシブにオーバーテイクを仕掛けてくるドライバーだからね。だからライン取りにはものすごく気をつけなければならなかったし、もちろんミスを犯すこともできなかった。ひとつでもミスを犯せば、彼に抜かれてしまっていただろう。

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