トロロッソ・ホンダが抱える
「2つの不安要素」は開幕戦で解決するか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 すでにガスリーが5戦、ハートレイが4戦を経験しているとはいえ、フル参戦が初めてという若手ふたりがピレリのF1タイヤに不慣れであることに変わりはない。「ワーキングレンジ」と呼ばれる各タイヤの適正温度(オーストラリアGPに投入されている3種の場合は90~135度)に保ち続けることでグリップの保ちもよくなるが、2018年型タイヤは温度変化が繊細で温度管理がトリッキーになっている。

 だからこそトロロッソは、まずはタイヤを保たせる走りをしてコンサバティブにいきすぎるよりも、ギリギリまで攻めて限界を探らせるほうを選んだというわけだ。テクニカルディレクターのキーは語る。

「まさしく、タイヤの扱い方が今年の速さのカギになるだろうね。ウチのドライバーたちはうまくやってくれると思っているけど、(テスト地の)バルセロナと(開幕戦の)アルバート・パークではまたサーキット特性も大きく異なっているから、決勝になってみないとわからない。

 とにかく、本来ならテスト2回目でやろうとしていたトレーニングの先の"答え合わせ"を、今週末のFP-2と決勝でやることになる。そこが大きなカギになるはずだよ」

 一方、テストを終えた時点で何が起きるかわからないレースの現場に臨むのは「不安がある」と吐露していたホンダの田辺テクニカルディレクターだが、この1週間の追い込み作業によってその不安はかなり取り除かれたようだ。落ち着いた面持ちで2018年最初のレース週末に臨むことができている。

「テスト後に日本のHRD Sakuraに行って開発メンバーと一緒に(テストで発生した)不具合なども含めて最適化もやってきたんですが、そういう意味では今、我々にできることはすべてやって持ってきたつもりでいますし、不安は和(やわ)らいだと言えますね(笑)。フタを開けてみなければわからないとはいえ、落ち着いて開幕を迎えられています。もちろん、久々に現場に戻ってきたわけですから、緊張感は徐々に徐々に高まってきていますけどね」

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