トロロッソ・ホンダの速さは何番目か。今季F1「真の戦闘力」を比較 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「現時点では、そういう"気質"はまったく感じられないよ。僕に言えるのは、このクルマは去年型からの正常進化型マシンだということだけだ。去年のクルマもすばらしいマシンだったけど、今年はあらゆる面がさらによくなっている。まだセットアップ作業もしていないからマシンバランスが完璧な状態ではないけど、クルマが速くなっていることは確かだ。エンジニアからは『マシンは約1秒速くなっている』と聞いているよ」

 レッドブルはパワーユニットの差もあり、まだトップを掴み取るほどの速さはなさそうだ。しかし、2強との差がかなり縮まっていることは間違いない。ダニエル・リカルドはこう語る。

「まだ少しタイムを縮める必要がある。改善しなければならない点もある。でも、十分トップ争いができるくらい上位との差を縮めることはできたと思う。間違いなく去年の開幕前よりもいいフィーリングだ」

 メルセデスAMGがやや優位に立っている感はあるが、加入2年目のバルテリ・ボッタスも今年はさらに速さを増してハミルトンの追い落としを狙っている。今季レッドブルが争いに加わることで、3強のバトルはさらに激しいものになりそうだ。

 一方で中団グループの争いは、さらに熾烈なものになっている。

 一発タイムではフェラーリを上回る実質的速さを見せたハースだが、実力が反映されるレースシミュレーションでは、やはり3強には及ばない。しかし、中団グループのトップに躍り出ていることは事実で、スティントによっては3強に匹敵する速さを見せている箇所もあるほどだ。常に表彰台に絡むほどの速さではないにせよ、間違いなく3強に次ぐポジションを争う「台風の目」になることは間違いない。

 フォースインディアは一発タイムでは奮わなかったが、レースシミュレーションでは昨年と同じように安定した速さを見せてハースに次ぐ位置にいる。資金難からパーツ製造が遅れ、まだ昨年型の空力パッケージをまとっている段階にもかかわらず、これだけの速さがあるということは、空力パッケージがアップデートされる開幕戦やスペインGPにはハースを上回るくらいの進化を見せてくるかもしれない。

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