トロロッソ・ホンダの速さは何番目か。今季F1「真の戦闘力」を比較 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ただ、これがいかようにも粉飾できるものであることは前述のとおりだ。実際のところ、トップチームはシーズン中のFP-3(練習走行)での習慣と同様に、タイムアタック時に30kgから50kgの燃料を搭載しているという見方もある。

 そんななかで「真の勢力図」を読み解く一助となるのが、各チームが行なうレースシミュレーションのペースだ。これは、バルセロナで言えばスペインGP決勝と同じ66周をぶっ通しで走るもので、燃料はフルタンクで走らなければならないために"粉飾"が難しく、ほぼ実力どおりのラップタイムが並ぶことになる。

 メルセデスAMGとレッドブルはミディアムで3スティント、フェラーリは予選シミュレーションで使用した中古のスーパーソフトでスタートしてミディアムで2スティント、という展開でレースシミュレーションを行なっている。

 このタイムを比較すると、3チームのタイム推移はほぼ同じだが、メルセデスAMGがわずかに速い。第1スティントのタイヤの差を考えれば、メルセデスAMGの速さは明らかだった。また、最終スティントでは他を圧倒するペースで走っているが、これは他チームが燃費セーブを強いられたことと、タイヤ戦略(最終スティントの長さ)の違いも影響しているだろう。なお、メルセデスAMGがスーパーソフトの第1スティントをシミュレーションしたと思われるランのペースは、当然ながら他の2チームを大きく圧倒している。

「ライバルはメルセデスAMGとレッドブルということになるだろうけど、彼らはレースシミュレーションでひとつのタイヤ(ミディアム)だけを使って走り続けていたよね。でも、グランプリ本番ではそんなことはできないんだ。この違いは、レース戦略面にも結果(ラップタイム)にも大きな影響があると思う」

 ベッテルはそう言うが、メルセデスAMGの優位を切り崩すのは簡単ではなさそうだ。

 メルセデスAMGは昨年、時折タイヤの扱いに苦労することがあったが、タイヤ温度がうまくコントロールできなくなる「ディーバ気質」と呼ばれるマシンの気ままな傾向は、今季型ではしっかりと払拭できたようだ。ルイス・ハミルトンはこう語る。

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