速いぞ、トロロッソ・ホンダ。もう最高速はマクラーレンを上回った! (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 最高速は333.3km/hまで伸びて4番手。逆に昨年までのパートナーであったマクラーレンが324.3km/h、316.7km/hと伸び悩んだことから、「昨年の車速の遅さは車体ドラッグ(空気抵抗)の影響だったのではないか」との見方が広がった。だが、田辺テクニカルディレクターは「何を狙ってクルマをセッティングしているかで変わってきますから、現段階ではなんとも言えません」と慎重な姿勢を崩さない。

「性能面については、車体側もパワーユニット側もまだまだ見えてきていません。自分たちのなかでは当然ターゲットを設定して開発していますが、そのあたりの詳細についてはまだ控えさせてください。まずは『一歩一歩』という表現にさせてください」

 しかし、ルノーからホンダにスイッチすることになったトロロッソとしては、そのパワー差は車体側のドラッグレベルを削ることを考慮しなければならないほどの差ではなかったと、キーは明言する。

「我々はシミュレーション上で、もっとも速く走ることができると考えられるダウンフォース量とドラッグ量のままでマシンを設計している。実際のところ、ホンダのパワーはルノーと比べてもそんなに大きく離れているわけではない。

 昨年はいろんな記事の見出しがメディアに躍ったけど、真実はまったくそんなことはなかった。昨年のマクラーレンがどのように考えていたのかは私にはわからないが、我々としては現時点で自分たちの空力フィロソフィを(レスダウンフォースに)変えなければならないということはないし、ホンダのパワーがあれほど大きく劣っているというようなことはないよ」

 フランツ・トスト代表は「目標は中団のトップを争うこと。争いは熾烈だが、ランキング5位前後が目標になる」と語る。とはいえ、車体もパワーユニットも現状では中団で、マクラーレンやルノー、フォースインディアのような強豪チームと戦うのに十分なパフォーマンスがあるとは言えない。キーが語るように、これからの開発と「一歩一歩」の歩幅が重要になってくる。

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