速いぞ、トロロッソ・ホンダ。
もう最高速はマクラーレンを上回った!

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 では、性能面はどうか。

 自己ベストタイムは1分21秒318でトップのメルセデスAMGから1.985秒の差があるが、寒さのせいでタイヤがまともにグリップする状況ではなく、正確な比較は難しい。加えて、トロロッソは車体側もパワーユニット側も基礎データ確認とセットアップ調整に専念したため、好タイムを出すためのタイムアタックは一切行なっていない。

「まだまだクルマを知る、パワーユニットの状況を知る、というパラメーター学習の段階です。大きめに振ってそれに対する反応を見て、『このクルマやパワーユニットはこういう特性だね』というのを掴んだうえで、一番おいしいところに絞り込んで最適化するという感じです」(田辺テクニカルディレクター)

 2日間ドライブして、ドライバー個人として最多の229周を走破したピエール・ガスリーも、まだ慎重な発言に終始している。

「今はまだいろんなことをテストしながら走っている段階だから、パフォーマンスがどうというのを判断することはできないよ。僕らはかなり燃料を積んでロングラン中心で走っているので、1周ごとのパフォーマンスには目を向けていないし、予選シミュレーションもやっていない。タイヤ温度にも苦しんでいたしね。だから、ライバルたちとの比較はまだできないよ。

 でも、クルマの初期フィーリングはいいので、現状はポジティブだよ。まだインプルーブ(改善)しなければならない点はもちろんあるけど、現時点では車体にもパワーユニットにもすごく満足している。これからデータをすべて見直して、次のテストに向けて準備する――そういうプロセスを進めているところだから、僕らはクルマを一歩ずつ前進させていかなければならないんだ。来週のテストでは、マシンもさらにいい状態になっていると思うよ」

 その一方で、昨年苦しんだリアの不安定さは改善されており、「コンシステンシー(整合性)は低速から高速まで問題ない」という。STR13の基本的な素性は悪くなさそうだ。キーはこう語る。

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