買える怪物「ホンダNSX GT3」は、今季GT300で大暴れするか (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 スーパーGTでは、2011年に初音ミクのカラーリングでお馴染みのGSR&Studie with TeamUKYOがBMW Z4 GT3で年間チャンピオンを獲得したことを皮切りに、多くのチームがFIA GT3マシンへの変更を開始した。現在では日産、レクサス、メルセデス、ポルシェ、BMW、フェラーリ、ランボルギーニ、ベントレー、アウディなどのマシンが登場し、GT300クラス全体の約3分の2が同規格の車両となっている。そこに今年、ホンダも加わることになったわけだ。

 NSX GT3は昨年、すでにアメリカのIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップで活躍しており、今年のGT300クラス初年度はModulo Drago CORSE(ナンバー34)とCARGUY Racing(ナンバー777)の2台が参戦することになった。なお、ホンダがGT300クラスのマシンを供給するのは、2015年以来となる(当時はCR-Z)。

 特に注目したいチームは、道上龍の率いるModulo Drago CORSEだ。道上はスーパーGTの前身である全日本GT選手権のGT500クラスで先代NSX-GTを駆り、2000年には年間チャンピオンを獲得。その後も2009年まで同マシンの開発を担当し、ホンダ陣営を引っ張ってきた存在だった。

 2013シーズンを最後にGT500ドライバーの座を離れ、2015年と2016年は監督としてチームを率いた。だが、ドライバーとしてレースに復帰したいという思いは消えず、昨年は世界ツーリングカー選手権にフル参戦。11月にマカオで行なわれた同大会では、日本人初となる3位表彰台を勝ち取っている。

 そして、今シーズンはホンダの純正パーツを製作するModulo(株式会社ホンダアクセス)とパートナーシップを組み、5年ぶりにスーパーGTに"ドライバー"として復帰する。チームメイトは、期待の若手ドライバーである大津弘樹。昨年は全日本F3選手権でアグレッシブな走りを披露し、スポーツランドSUGOで行なわれた最終戦で優勝を飾った。

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