佐藤琢磨、テストで最速。新チームは「何かすごい秘密」を知っている (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 2018年はエンジンメーカー提供のエアロキットが廃止され、全員が同じ空力パッケージで走るため、サスペンション・セッティングの重要性はより一層高くなる。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングには、王者チーム・ペンスキーと、もうひとつの強豪チップ・ガナッシ・レーシングに戦いを挑むだけのダンパー・プログラムがあると考えられる。

 その仮説は、開幕を1カ月後に控えたフェニックスの1マイルオーバルで開催されたオープンテストで実証された。 

 合同テストは2日間で、3時間のプラクティス(練習走行)が合計4回行なわれた。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはその全セッションで最速ラップをマーク。そのうちの3回は琢磨がトップタイムで、もちろん2日間での最速となった。そればかりか1日目のセッション2では、レイホールがトップで琢磨が2番手と、他チームを圧倒してみせたのだ。

 同じエアロで走ったショートオーバルでライバルより速かったのは、高いメカニカルグリップが得られていることの証明だ。琢磨の見込み通りか、あるいはそれ以上に、レイホールのマシンはライバル勢に対してアドバンテージを持っているのかもしれない。

「本当にいいテストになりました。おそらくインディカーに来てからベストの内容だったと思います。ペンスキーやガナッシと戦い、彼らより速いラップを出せた。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはこの2日間で大きく進歩しました。この後はバーミンガムの常設ロードコースで1日、ストリート用にセブリングで1日テストを行なって、開幕を迎えます」と、琢磨は目を輝かせた。

 インディ500連覇と、初のシリーズタイトル獲得を目標に掲げる彼にとって、「チャンスあり!」と強く実感できたフェニックスでのオープンテストだった。

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