MotoGPテストで、スズキ&ドゥカティの若手2人が激走アピール (3ページ目)

  • 西村章●取材・文・撮影 text & photo by Nishimura Akira

 そしてもうひとり、今シーズンに注目しておくと面白そうな存在が、ホンダからドゥカティ勢のアルマ・プラマック・レーシングへ移籍したジャック・ミラーだ。

 2014年にMoto3クラスで最終戦までもつれ込む激しいチャンピオン争いを繰り広げたミラーは、翌2015年に19歳でMotoGPへ「飛び級」デビューを果たした。2016年のオランダGPで最高峰クラス初優勝を達成し、昨年はその高い資質を買われて鈴鹿8耐にも参戦した。

 ミラーは1月のセパンテストでも3日間を通じてトップファイブを維持し、順応性の高さを強く印象づけた。今回のブリラムテストでもリンスに次ぐ総合6番手で、ドゥカティ勢の最上位。ファクトリーのアンドレア・ドヴィツィオーゾよりも0.007秒上回るラップタイムを記録し、「MotoGPに昇格して以来、こんなに気持ちよく走れたことはなかった」と好調な手応えを述べた。

 ちなみに、ファクトリーのドヴィツィオーゾが最新スペックの2018年仕様に乗っているのに対し、ミラーのマシンは昨年にドヴィツィオーゾがチャンピオン争いを繰り広げた2017年仕様である。

 ホンダ時代を振り返り、ミラーは「この3年間でたくさんの経験を積んできた。ホンダではマルクがチャンピオンを獲っているし、ダニもずっと速さを発揮している。僕がバイクをしっかり走らせられなかっただけなんだ」と話し、プレシーズンテストですでに高い戦闘力を発揮していることに関しては「今年について語るのは、まだ時期尚早だよ」と謙虚な姿勢を見せた。

「最終戦後のバレンシアではいいテストができて、年末のヘレスは少し厳しかったけど、年が明けてからセパンとここではうまく走れている。バイクはとてもよく走っていて、ドゥカティは旋回が厳しいと言われるけど、コーナーも流れるように走れている。(次回テストと開幕戦が行なわれる)カタールでは、ドゥカティはとても速いから今からとても楽しみだよ。その勢いで、第2戦のアルゼンチンと第3戦のテキサスにも臨みたいね」

 MotoGPのチャンピオン争いはホンダやヤマハ、ドゥカティのファクトリー勢がおなじみの顔ぶれになっているが、今年はそこにフレッシュな顔ぶれが加わり、さらに刺激的な戦いが展開されていくかもしれない。

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