MotoGPテストで、スズキ&ドゥカティの若手2人が激走アピール (2ページ目)

  • 西村章●取材・文・撮影 text & photo by Nishimura Akira

「チームもとても喜んでくれました。タイムを上げたときは、監督のルーチョ(・チェッキネロ)さんはガッツポーズをしてくれたし、チームメイトのカルのスタッフも祝福してくれました。そういったことも、自分にとっては大きなモチベーションと原動力になります。次回のカタールテストでは『開幕戦から行けるぞ!』という状態にしたいので、今回、総合トップテンで終われたのはとてもポジティブだと思います」と、中上は笑顔で3日間のテストを振り返った。

 ところで、今回のブリラムテストでは、従来のチャンピオン争い常連勢とは少し異なる顔ぶれが上位タイムを記録し、2018年シーズンの活躍を期待させる走りを見せた。

 そのひとりが、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)だ。

 昨シーズンにMoto2からステップアップしてきた22歳のリンスは、開幕直後に左手を骨折し、シーズン前半を棒に振ってしまった。しかし、復帰後の終盤には上位陣に迫る走りを見せ、日本GPでは5位、最終戦バレンシアGPでは4位に入って高いポテンシャルをアピールした。今年は、1月のセパンテストでも総合6番手タイム。今回も初日早々に2番手を記録し、3日間の総合では5番手で締めくくった。

「テストでは、皆がいろんなモノを試したりするので本当の実力はわからないけど、マレーシアとここで僕たちはとてもいいテストができた。一発タイムにこだわらず、いいレースペースを刻めた。トップタイムではないけれども、トップ勢に近いところで走れている」

 良好な手応えで自信を深めていることは、この言葉からも十分にうかがえる。今シーズンはトップライダーたちに食い込んで上位争いをする自信が深まってきたのかどうか、彼に訊ねてみると、「タイム上ではそう見えるかもしれないけど、それを話すのはまだ早すぎるね」と、やや照れたような笑みを浮かべた。

「マルクやホルヘたちとバトルしてタイトルを争うためには、僕はもっと勉強しなきゃ。でも、去年からかなり前進できていると思うよ」

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