元F1王者ジェンソン・バトンがスーパーGT参戦を決めたのはなぜか? (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 鈴鹿1000kmにスポット参戦した際、バトンは今後のレースキャリアについてこのように語っていた。

「ずっとF1に参戦してきて、2017年は少しゆっくり休みたいなと思っていた。だけど、F1モナコGPでのスポット参戦(インディ500参戦で欠場したアロンソの代役)と、今回の鈴鹿1000kmで久しぶりにレーシングカーに乗って、『自分はレースが大好きなんだな』と再確認することができたんだ」

 昨年の段階では、さまざまなレースカテゴリーへの参戦を視野に入れていたようだ。ただ、そのなかでもスーパーGTへの興味は以前から高かったという。フル参戦に向けてバトンと話し合った山本モータースポーツ部長は、今回の経緯をこのように語ってくれた。

「JB(ジェンソン・バトン)は日本のレースというものを本当に真剣に捉えてくれていて、スーパーGTもすごく面白いと言ってくれました。鈴鹿1000kmが終わった後、彼から『シリーズ全戦に出てタイトルを狙いたいから、一度ちゃんと話す機会がほしい』と連絡があり、そこから(フル参戦に向けた)話が本格的に始まって、一番長く話をしたのはF1日本GPのときですね」

 この話からもわかるように、バトンは興味本位だけでスーパーGTに参戦するのではなく、真剣に年間チャンピオンを狙っているのだ。所属チームの選定についても、「チャンピオン獲得が狙える体制」を前提に話が進められたという。

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