トロロッソ・ホンダの勝算は?「純粋なレース屋」との相性を考える (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 そして、もっとも気になるのが、ホンダ自身のパワーユニット開発だ。

 体制を一新して2018年に臨むホンダだが、基本的には昨年型をベースに正常進化させたものが2018年型パワーユニットとなる。そのため昨年の序盤戦に経験したような大きな失敗は起きないはずだが、逆に言えば驚くような進歩を果たすことも考えにくい。

 ホンダにとっても、トロロッソにとっても、再出発のシーズン。その初年度からの表彰台は難しいだろう。むしろ、これがF1参戦初年度だと思うべきで、高望みはできないのも当然だ。しかし、昨年のような大失敗もない。中団グループでコンスタントに入賞圏を争うところから再スタートすることになるだろう。

(5)大型新人シャルル・ルクレールはどれだけすごい?

 2018年は注目の大型新人がデビューする。

 一昨年のGP2王者から日本のスーパーフォーミュラを経て、昨年トロロッソのシートを獲得したピエール・ガスリーは今年初めてのF1フル参戦となる。WECからトロロッソに加入したブレンドン・ハートレイも、同じく今年が初の本格参戦だ。

 しかし、ガスリーやストフェル・バンドーン(マクラーレン)を超える逸材と期待されているのが、今年ザウバーからデビューを果たすモナコ出身・20歳のシャルル・ルクレールだろう。2016年はGP3、そして2017年はFIA F2と、それぞれ挑戦初年度ながら圧倒的な強さで制した。11ラウンド中ポールポジション8回という速さだけでなく、レースでの強さ、そしてメンタルの強さも新人離れしている。

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