トロロッソ・ホンダの勝算は?「純粋なレース屋」との相性を考える (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 チームスタッフは今もイタリア人が多いとはいえ、顔ぶれは多国籍化しており、今のトロロッソはかつてのミナルディとはまったく別のチームだ。「ミナルディのシェフが作るパスタがF1パドックで一番美味い」などと言われたものだが、今はトロロッソの食事もレッドブルのオーストリア人ホスピタリティクルーが作っているので、そんなことを言う人がいればモグリだと思ったほうがいい。

 ただ、ミナルディと別モノとはいっても、チームとして上位で戦った経験が不足していることもまた事実だ。トロロッソとしての最上位、そして表彰台獲得は2008年イタリアGPのセバスチャン・ベッテルによる優勝のみ。レース運営やレース戦略などのミスで、マシンパッケージの実力をフルに発揮しきれない弱さも多々ある。

 ドライバーの布陣にしても、トロロッソはレッドブルのジュニアチームであり、その育成プログラム所属の若手が起用されるため、どうしても不完全なものにならざるを得ない。

 また予算面でも、2018年はレッドブル本体からの供出が減ると言われており、財政は厳しくなりつつある。ホンダはレッドブル側から資金提供の依頼を受けてはいないが、パートナーとしてともに上位を目指すために、資金面でも何らかのバックアップを行なうことに前向きなようだ。その規模によってはジェームス・キー率いる開発陣の能力をフルに発揮することもできるだけに、それがトロロッソの成績を大きく左右することになるかもしれない。

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