初音ミクの「痛車」チームがスーパーGTで3度王者の強豪になるまで (6ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 一方、チームの成長を感じることのできたシーズンだったとも言う。

「昨年まで取り組んできたことが少しずつ花開き始めて、それが開幕戦・岡山の優勝や第2戦・富士でのポールポジションにつながった。第6戦・鈴鹿では100kgのウェイトハンデを積んでいながら予選4番手を記録できましたし。これらの結果は、トータルで底上げができたからだと思います。また、ドライバーのふたりもがんばってくれて、厳しいと言われていたレースでも結果を残してくれました」

 彼らが成長できた要因のひとつに、チームが導入している「個人スポンサー制度」の成果もあるだろう。「初音ミクGTプロジェクト」発足後の早い段階から立ち上げ、ファンが直接チームを支援する体制を築き上げてきた。今では毎年シーズンを通して数千人の個人スポンサーが集まり、各サーキットで熱烈に応援しているファンの姿も見られる。

 個人スポンサーのサポートについて、片山監督やドライバーたちは「さまざまな意味でチームを支える大きな力になっている」と語った。

「(初音ミクの痛車について)正直、最初ビックリはしたけど、その後は何とも思いませんでした。もともと我々はプライベーターですしね。お金持ちが運営しているわけではなくて、個人スポンサーの応援があって成り立っている。このチームは『集合体みんなの力を合わせればできる』という表現の場所でもあるので、本当に雰囲気は暖かいですね。それは内側にいてすごく感じます」(片山監督)

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