F1ホンダが新体制に。「失敗しないアプローチ」は今度こそ成功するか (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 昨年のような設計の"ガラチェン"による大きな失敗のおそれはないが、来季は年間3基へとパワーユニットの使用数規制が強化されることもあり、まずはMGU-Hをはじめとした信頼性確保を最優先に開発が進められているようだ。トロロッソとのタッグがスタートし、その先にレッドブルとの提携関係も見え隠れする大事な4年目のシーズンだけに、無謀な開発で大成功を狙うのではなく、絶対に失敗しないアプローチで臨もうというわけだ。

 今季のスペック3.8までの進化によって、来季型パワーユニットのベースとなる性能はすでに確保されており、あとはシーズンを通してこれをいかに伸ばせるかにかかっている。今回の体制変更による開発スピードアップと、浅木エンジニアの手腕がどう生かされるかが問われるのは、むしろシーズンが開幕してからの伸びしろということになるだろう。

「RA618H」と呼ばれることになるであろうホンダの来季型パワーユニットがトロロッソのマシンに搭載され走り出すのは、来年の2月下旬。その瞬間に向けて、ホンダの再出発はすでに始まっている。

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