F1ホンダが新体制に。「失敗しない
アプローチ」は今度こそ成功するか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 それよりもホンダの浮沈を大きく左右しそうなのが、開発面の体制変更だ。

 2015年のF1復帰当初は、新井康久F1総責任者がパワーユニットの開発と現場運営を統括し、さらに本田技術研究所の執行役員として本来の業務であるHRD Sakuraの業務全般も担っていた。

 新井の"定年退職"に合わせて2016年3月には長谷川総責任者に交代。総責任者の負担を軽減するためF1プロジェクトのみに専念するかたちに改められ、今季から開発面は徐々にHRD Sakuraの開発責任者である大津啓司執行役員にその比重が移っていった。

 その後、ホンダ本社の山本雅史モータースポーツ部長がHRD Sakura側の役職も兼任するかたちに。現場と開発と事務方を分離すべきところは分離し、一体化すべきところは一体化することで、スピーディーな決断と開発ができるような体制を構築していった。

 その最後の仕上げが、今回の体制変更だと言っていいだろう。

 大津執行役員に代わってHRD Sakura担当となる浅木泰昭執行役員が開発のトップに就き、F1活動全体を統括する。

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