「がんばった」9位で終幕。
ホンダとマクラーレンの明日はどっちだ?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

マクラーレン・ホンダのラストレースで9位入賞を果たしたアロンソマクラーレン・ホンダのラストレースで9位入賞を果たしたアロンソ 決勝はスタート加速でマッサをかわしたアロンソだったが、ターン8でエステバン・オコン(フォースインディア)を抜きにかかってオーバーシュートしてしまい、次のストレートの立ち上がりでマッサに再逆転を許してしまう。まさに前戦のブラジルGPと同じように、マッサに抑え込まれ、彼のペースに付き合わされることになってしまった。

 しかし21周目、マッサに先がけてピットに飛び込みアンダーカットを仕掛けると、翌周にピットインして目の前にコースインしてきたマッサをアロンソはDRS(※)を使って抜き去った。ピットアウト直後の、まさにワンチャンスをモノにした格好だ。そこからはマッサを引き離していき、ひとり旅になった。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。ドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 ピットストップがウイリアムズより1秒長くかかってしまったのは、マクラーレンのピット作業の実力を考えれば仕方のないことだったが、レース戦略としては成功だった。

 トラブルもなく、最良のセッティングを施し、戦略も成功――。マクラーレン・ホンダは最後のレースで、自分たちの持っている実力をすべて出し切った。その事実が冒頭の長谷川総責任者の言葉どおり、チームスタッフ全員に喜びと安堵をもたらした。

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