「がんばった」9位で終幕。ホンダとマクラーレンの明日はどっちだ? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「僕らには他チームが使っているような『魔法のモード』がない。だから、ストレートのたびに0.2秒ずつ失っている」

 予選でQ3に進めず11位に終わったアロンソも、13位のストフェル・バンドーンも揃ってそう口にした。フリー走行から予選にかけてメルセデスAMGが0.8秒、フェラーリが0.7秒、ルノーが0.6秒縮めてきたのに対し、マクラーレン・ホンダは0.25秒しか速くならなかった。そのことを指摘しているのだ。

 実は第16戦・日本GPからFIAがパワーユニット運用の取り締まりを強化し、エンジン吸気にオイル成分を紛れ込ませて燃焼エネルギーを増大させる"オイル燃焼"というグレーゾーンの技術が使いづらくなった。

 過去のFIAとの遺恨もあることから、当初から法の抜け穴を突くことに否定的だったマクラーレンはオイル燃焼をやめた。ライバルメーカーも当初は様子を見てオイル燃焼を控え目にしていたが、走行前にルノーの排気管からオイルの煙が上がるのを見ても、明らかにオイル燃焼は復活していた。フリー走行から予選にかけての異様なタイムの伸びは、そこに理由がある。

 それに加えて、コーナーで稼ぐためにつけたダウンフォースが足かせとなって、ストレートが伸びない。そのためにドライバーたちは、なおさら「ストレートで失っている」と感じたのだ。

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