マクラーレン・ホンダのラストラン。最後くらいは笑顔で終われるか? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 それは、マクラーレンもホンダも開幕前テストに臨む段階でわかっていたことだったが、性能不足に加えて信頼性の問題がマクラーレンを苛立たせ、開幕前からホンダとの提携解消が本気で話し合われることになった。そして夏前にはついに、それが実質的に決まってしまった。

 ホンダは6月末の第8戦・アゼルバイジャンGPでスペック3を投入し、夏休み明けのスペック3.5以降ではさらに性能を上げていき、ようやく性能と信頼性を本来なら開幕時点で到達すべきだったレベルまで取り戻してきた。皮肉なことに、提携解消を決めたシーズン後半戦になってようやく、ホンダのパワーユニットは"戦えるレベル"になってきたのだ。まさに半年遅れの開発がそのままシーズンに響いてしまったとも言える。

「クルマのパフォーマンスが上がってきているのは、スペック3.8の効果もあると思います。長い目で見ればスペック3.5から3.8へは、それぞれ0.1秒ずつくらいのゲインがありますし、そうでなければ入れていませんから。これはあまり言いたくありませんけど(苦笑)、特に3.8では高速側の出力が上がってきているので、ストレートエンドは伸びているんです。そういう攻めたセッティングに変えられるような工夫が入ってきて、耐久性は上がっていますから。そういう意味では、エンジンパフォーマンスは間違いなく使い切れてきていると言えます」(ホンダ長谷川祐介F1総責任者)

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