レクサス勢の名門トムス、若手2人で8年ぶりにスーパーGT総合優勝 (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 決勝レースのスタート直前、思わぬハプニングが発生する。なんとポールポジションの23号車(クインタレッリ)と、2番手の6号車(カルダレッリ)がスタートラインへと向かうフォーメーションラップの最終コーナーで交錯。真後ろを走っていた37号車(キャシディ)もこれに巻き込まれそうになった。だが、キャシディは飛び散るパーツを冷静に避け、無事にスタートラインを越えていった。

 その後、キャシディは接触の影響でペースの上がらない6号車をパスして2番手に浮上。このポジションを守り切れば、初のシリーズチャンピオンが確定する。スタート前のアクシデントにも関わらず23号車のペースは予想同様に速く、徐々に差をつけられていった。それでも、21周目にキャシディからバトンタッチされた平川がミスのない堅実な走りを見せて、そのまま冷静に2位フィニッシュ。23歳の最年少コンビが名門チーム・トムスに2009年以来となるタイトルをもたらす結末となった。

 レース後、プレッシャーから解放された平川は、パルクフェルメでようやく笑顔を見せた。

「チェッカーを受けて喜ぶのかなと思ったら、ホッとして言葉が出なかったです。1年間を通してチームもミスがなかったですし、ニック(・キャシディ)もすごくいい仕事をしてくれました。率直に完璧なシーズン。LC500は常に速くて強いクルマで、僕たちが履いているブリヂストンも難しいコンディションのなか、毎回すごくいいパフォーマンスを発揮してくれました。みなさんに感謝しています」

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る