レクサス勢の名門トムス、
若手2人で8年ぶりにスーパーGT総合優勝

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 そんな平川も、さすがにチャンピオンのかかる最終戦ではプレッシャーを感じている様子だった。レース前の金曜日に取材したときには、「サーキットに入るまでにいろいろ考えたりしましたね。ただ、サーキットに入ればいつも通りの感じだったので、リラックスして臨めそうです」と語ったものの、その表情はいつもと違って緊張した雰囲気を漂わせていた。

 同じく23歳のキャシディはニュージーランド出身。平川とは今年からコンビを組んでいる。2015年に全日本F3選手権でチャンピオンを獲得し、スーパーGTにフル参戦を開始したのは2016年。もちろん、キャシディもチャンピオン争いをするのは初めての経験だ。

「これだけ大きなチャンピオンシップだからね、正直いつもよりプレッシャーはある。でも、今回はすごくいいチャンスなので、この瞬間を楽しむことができているよ」。いつになく言葉少なめにそう語るキャシディも、落ち着きがない様子だった。

 そんな緊張感の高まるなか、予選の幕が切って落とされた。ポールポジションを獲得したのは日産勢の1台、ナンバー23のMOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)。37号車が今予選でも有利と見られていただけに、今回と同じくノーウェイト勝負だった開幕戦・岡山での23号車(予選14位)を考えると、多くのファンや関係者が予想していない結果となった。

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