エンジン側の努力は完全スルー。アロンソがホンダを褒める日は来るか (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「いろんなパラメータを振って、どうすれば一番出力を出せるかを検討しました。ICEの燃焼もそうですし、MGU-Hからの回生もバランスよく取らないとパワーユニットとして走れませんから、トータルで見たときに何が一番速いかをずっとHRD Sakuraで検討して、1週間前に聞いていたよりはずいぶんよくなりました。想定していたロスの3分の1くらいで済みましたから。箸にも棒にもかからないくらいじゃないかと心配していたんですが、そんなことはありませんでしたね」(中村聡プリンシパルエンジニア)

 もしこうした努力がなされず、高地の影響によるパワーユニットのロスが取り戻せていなければ、マクラーレン・ホンダは大きな苦戦を強いられただろう。しかし実際には、ライバルメーカーにもパワー低下はあり、むしろターボにかかる負荷で信頼性に苦しんだのはルノーのほうだった。

「実際にはむしろ、ウチのほうが落ちていなかったんじゃないかなという感じでした。メルセデスAMGは(落ち幅は)そうでもないですけど、ルノーに比べるとここでは戦闘力は高かったなと思いますね」(長谷川祐介F1総責任者)

 マクラーレン・ホンダは2台ともパワーユニット交換によるグリッド降格ペナルティを選んでいたため、Q3に進むことなく予選を終えて、ライバル各車との本当の性能差は明らかにならなかった。それでも、Q1のタイムを当てはめれば、予選9番手につけることができていたのも事実だ。

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