ドゥカティ背水の勝利。マルケス×ドヴィツィオーゾの決着は最終戦へ (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 一方、4位で終えたマルケスはレース後に「レースはウェットで滑りやすく、どこが限界かを見極めることも難しかった。いつでもミスしそうな状態で、今日のドゥカティは2台とも僕より速かった。途中でザルコに追いつきそうだったからがんばってみたけど、(3位で終えて)24ポイント差にするのと、(この状態で無理せずフィニッシュして)21ポイント差では、バレンシアに向けてそんなに大きな差がない。だから4位キープに切り替えたんだ」と話した。

 最終戦のバレンシアGPが行なわれるリカルド・トルモ・サーキットは、マルケスが得意とする左周りのコースで、しかもポイント差は21点。ドヴィツィオーゾが言うとおり「勝負はマルクの手の内にある」状態だが、この状況は御(ぎょ)しやすく自分に有利だと考えているのかどうか、最後にマルケスに訊ねてみた。

「御しやすいだろうとは特に思っていない。過剰な自信は持ちたくないからね。次のレースも、今までと同じメンタリティで備えたい。好材料は、バレンシアは好きなコースで、いつもあそこでは速く走れるということ。今は家に帰ってリラックスしてトレーニングし、100パーセントの力でバレンシアに臨みたい」

 過去に数々のドラマを演出してきたバレンシアには、今年もまたひときわ劇的な展開が待ち受けていそうな気配である。

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