ドゥカティ背水の勝利。マルケス×ドヴィツィオーゾの決着は最終戦へ (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 これでドヴィツィオーゾにとっては、次戦にチャンピオン争いを持ち越す条件が整った。

 ちなみに、このレース中盤に2分13秒台を維持できていたのはドヴィツィオーゾとロレンソの2台のみで、ザルコとマルケスは14秒台、さらにマルケスは終盤に15秒台へとペースを落としている。

 ドヴィツィオーゾにパスされた前後の状況について、ロレンソはレース後に「ストレートエンドでフロントが切れ込み、そこをうまく突かれてしまった。がんばってついていったけれど、背後に張りつき続けるのは難しかった」「フロントは限界で、ドヴィについていくのはブレーキングでもかなり厳しい状態だった」と話している。

 一方のドヴィツィオーゾは「本当に限界で、ホルヘが前を走っているときは何度もフロントが切れそうになっていたし、自分が前を走っているときもフロントが切れそうだった。路面のグリップが低く、マージンを見込む余裕などなかった」と終盤の展開を振り返る。

 20周のレースを終え、トップでチェッカーを受けたドヴィツィオーゾは執念でシーズン6勝目をもぎ取って、最終戦へ年間総合優勝の決定をもつれ込ませることに成功した。

「バレンシアはマルクの得意コースだから、厳しい戦いになるだろう。自分たちにできるのは、今回のウィークと同じアプローチで高い水準を保ちながら、勝利を目指してひたすらがんばることしかない。とはいっても、勝負はマルクの手の内にある」(ドヴィツィオーゾ)

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