ターボをブン回してもパワー出ず。
F1ホンダは高地メキシコで大苦戦

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 しかしホンダの場合、今季型ターボチャージャーそのものが持つ特性がこの高い回転数に合わず、ターボ効率が落ちてしまうという。そのため、回転を上げても出力を挽回することができず、ライバルに比べて苦戦を強いられることが予想される。

 エンジンの点火時期など燃焼セッティングを攻めることで挽回し、パワー低下を最小限に抑えるというが、それでもライバルとの差が開くことは避けられない。空気が薄いことで、いつも苦労させられている空気抵抗の大きさは幾分マシにはなるが、パワー差が長いストレートでどれだけ影響するかは未知数だ。

 こうした事柄を踏まえて、マクラーレン・ホンダはメキシコGPを犠牲にして残り2戦に賭けることを決めたわけだ。

 2015年にF1開催が復活したメキシコでは、国民的スポーツ選手となったセルジオ・ペレスの活躍もあって空前のF1ブームだ。自由席でも3万円からで、メイングランドスタンドともなれば10万円を超えるような高額チケットだが、3年連続の完売。野球のスタジアム跡を使ったすり鉢状にそびえる観戦スタンドなどは、超満員で大いに盛り上がる。

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