五つ巴バトルを制したマルケス。13位ドヴィツィオーゾは何が起きた? (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 5周目にはロッシが前を奪い、やがてザルコがロッシをオーバーテイクして9周目にトップへ浮上。レース終盤が近づくと、ビニャーレスも彼らをパスして一時は先頭に立った。後ろから追いついてきたイアンノーネも、隙あらば前に出ようと虎視眈々と狙う状況で、周回ごと、コーナーごとに、彼らの順位はめまぐるしく入れ替わった。

 そのような熱い戦いのさなかでも、冷静に機をうかがっていたのがポイントリーダーのマルケスだ。

「今日はとことん我慢を続けて、終盤の残り7~8周あたりからプッシュしはじめた」と、マルケスはレースを振り返った。

「ここが攻めどころだと思ったので、少しずつ差を開いていった。(トップ争いの他車より)0.2~0.3秒ほど速かったから、それで最後の2周は少し楽になった」

 今季6勝目を挙げたマルケスは、この優勝でさらに25ポイントを加算した。

 2位争いは最終コーナー立ち上がりの加速勝負になり、ロッシ-ビニャーレス-ザルコの順でゴールラインを通過した。3台のタイム差は、わずか0.043秒。いわば髪の毛ひと筋ほどの差だ。

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