エアレース王者・室屋義秀、今季は優勝連発も「来年はイチロー流で」 (6ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by red bull

「もちろん、こうして(優勝という)形になったのはうれしいですけど、チャンピオンになっていなくても自分の実力やチームのパワーは変わらないわけです。だから、これ(トロフィー)がなかったとしても、それは他の誰かに評価されないだけで、自分たちが行なってきたプロセスが合っていることを、自分たちは評価できている。それが一番大事なんじゃないかな。仲間と一緒に自己実現していくプロセスが楽しみなのであり、そこでの成果にはチームスタッフみんなが満足している。充実感はありますね」

 2連覇は果たすべき目標――。室屋は凱旋帰国後、来季の目標を問われると、そう答えている。もちろん、ウソではないだろう。だが、恐らくそこには、多分にリップサービスの意味合いが含まれている。なぜなら室屋は、タイトル獲得が必ずしも目指す頂への道しるべにはならないことも、よくわかっているからだ。

 だからこそ、室屋は世界チャンピオンになれた。そして、まだまだ強くなれるのである。

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