大丈夫か、フェラーリ? 自滅のミス多発でメルセデスの戴冠が間近に (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 それでも、逆転の可能性はゼロではない。メルセデスAMGのマネージングディレクター、トト・ウォルフは口癖のように言う。

「F1界では、いかにあっという間に勢力図が入れ替わるかということを、我々は痛いほどよく知っている。だからこそ、油断することは絶対にできない。常に全力を尽くさなければ、勝つことなどできないんだ」

 メルセデスAMG自身、マレーシアGPでレッドブルに敗れたことで改めて自分たちを見つめ直し、さらに強さを磨いてきた。

「あの敗北で我々はあらゆるデータを分析し直し、セットアップを見直して正しい方向性に変えた。あそこで多くを学んだんだ。もしあれがなければ、鈴鹿では1秒遅かったかもしれない。悪夢のような1日がさらなる成長をもたらしてくれるものなんだ」(ウォルフ)

 コンストラクターズポイントでも、メルセデスAMGはフェラーリに145点差をつけており、このアメリカGPでフェラーリがメルセデスAMGより16点以上多く獲得しなければ、メルセデスAMGの4年連続コンストラクターズタイトルが決定する。メルセデスAMGの1台が優勝(25点)すれば、フェラーリは2位・3位でも33点しか獲得できないため、タイトル決定。フェラーリが1位・2位でも、メルセデスAMGが3位・4位ならタイトルが決まる。今週末のアメリカGPでコンストラクターズタイトルが決定する可能性はかなり高いと言える。

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