大丈夫か、フェラーリ? 自滅のミス多発でメルセデスの戴冠が間近に (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「限界ギリギリを攻めれば、それを超えて失敗することもある。ミスを犯すこともある。それが起きれば大きな代償を支払うことになる。しかし、そういうことが起きるには、それなりの理由がある。その問題の解決策を見つけ出さなければならないんだ」

 ベッテルはそう語るが、この切羽詰まった状況のなかでフェラーリが冷静さを取り戻し、問題に対処できるかどうか、それはわからない。

「アメリカGPでのベッテルの6位以下」というシナリオがあり得なくないと思われるもうひとつの理由は、躍進著しいレッドブルの存在だ。

 レッドブルがフェラーリを上回る速さを見せれば、ベッテルが6位に沈む可能性も出てくる。そうとなれば、フェラーリはキミ・ライコネンよりベッテルを先行させてタイトル争いの可能性を引き延ばそうとするだろうが、ライコネンとベッテルの間にレッドブルがいれば順位の入れ換えもできなくなる。また、このところ実力を発揮し切れていないメルセデスAMGのボッタスがそのポジションに居合わせるケースもあるだろう。

 もちろん、メルセデスAMGもハミルトンも、そこまでして強引に今週末のオースティンでタイトルを決定させようとはしていない。はっきり言えば、ハミルトンのタイトル獲得はもうほとんど時間の問題だからだ。

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