衝撃の最終ラップ。ドヴィツィオーゾと
マルケスが演じた至福の2分間

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 ビクトリーコーナーがはらみ気味になったマルケスと交錯する格好で、正確にラインをトレースして先に立ち上がったドヴィツィオーゾが0.249秒早くゴールラインを通過した。

 雨のレースとは思えないほどの、限界すれすれの激しいバトルを制したドヴィツィオーゾは、これでシーズン5勝目。朝からひとしきり降り続く雨のなかでレースを観戦した会場のファンも、固唾を呑んで最終ラップの攻防を見つめて続けた2分ほどの間は、おそらく寒さを忘れていたに違いない。

 ランキング首位のマルケスとのポイント差は、これで11点に縮まった。

 今週末のオーストラリアGPが開催されるフィリップ・アイランド・サーキットは、マルケスの得意コース。一方、翌週のマレーシアGPセパン・サーキットは、昨年ドヴィツィオーゾが制したコースだ。

 両雄の戦いは、次の2週間の連戦でさらに激しく火花を散らす。

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