総合力を試される鈴鹿で11位。これがF1ホンダ3年間の到達地点だ (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「マシンのハイドロ圧が全然立ち上がらなくて、おかしいって(調査を)ずっとやっていたんです。ずっとやって、最後にエンジンまでおかしくなってしまったのが夜の11時過ぎでした。ハイドロ系は車体とPU(パワーユニット)がつながっているので、どこが原因なのか簡単にはわからないんです。交換すれば治りますし、時間さえあれば交換できるものですが、そこからでは交換は間に合いません。(ICEの上に乗っている)インダクションボックスやプレナムチャンバー(吸気ポート)を外して載せ換えるというのは、かなり大変な作業なんです」(長谷川総責任者)

 そのため、パワーユニットごとの交換が必要になった。問題は、何に換えるか、だった。

 アロンソにはまだ中古のパワーユニットがあり、それに載せ換えればペナルティを受けずに中団で戦うことができる。しかし、パワーユニットの寿命を考えると、次のアメリカGPで新品を投入しなければならなくなる。だが、チームとしては鈴鹿よりも好結果が期待できるアメリカGPを優先したい。そこでマクラーレンとホンダは協議の結果、ここで新品を投入し、ペナルティを消化しておくことを決断した。

「それはもう、苦渋の決断でした。ただ、ベルギーGPでストフェル(・バンドーンの母国GPであるにもかかわらず)に新品を投入してペナルティを受けてもらったときから、チームにとって最良の選択をするしかないと心に決めていましたから。鈴鹿だからどうこうというよりも、残りのシーズンのなかでベストな戦略を採るというのが、今の我々の選択です」(長谷川総責任者)

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