マクラーレン・ホンダ最後の鈴鹿へ。
連続7位は「激走」の予兆なのか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 アップデートが機能しないということは、自分たちのクルマを100パーセント正しく理解できていないということだ。屈指の高速コーナー連続区間を持つ次戦の鈴鹿でMCL32が本来の速さを見せることができるのか、不安だ。

 加えて、バンドーンが決勝を7位で終えて2戦連続のポイント獲得を果たしたとは言え、速さではセルジオ・ペレス(フォースインディア)に抜かれ、レース戦略ではピットストップで先手を打ってきたウイリアムズ勢にも抜かれかけた。彼らがポジションを入れ換える隙を突いて7位を取り返しただけで、本来なら9位で終わっていてもおかしくなかったのだ。

 アロンソも長々と第1スティントを引っ張り、ピットストップ作業で4.1秒もかかったためにルノー勢にアンダーカットを許した。

 とはいえ、マシンの実力を最大限に引き出し、現状のマシンパッケージで望みうる最大限に近いポイントを得たという意味では、満足のいく結果だ。ホンダの長谷川総責任者も語る。

「シンガポールの7位は上位勢がかなりいなくなっての7位ですから、今回の7位のほうが格段にうれしいです。少なくとも、ここでは実力をフルに発揮できたということです。我々の仕事としては実力をフルに発揮するというのが最大の目標ですし、それ以上というのは理論的にあり得ないわけですから、そういう意味では大変満足しています」

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