38歳ロッシは超人か。右脚骨折から3週間での激走をライバルも絶賛

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 右脚骨折という負傷が完璧に癒えない状態でレース復帰を果たしたバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)が激しいトップ争いを繰り広げ、最後は5位でチェッカーフラッグを受けた。

ロッシは骨折からわずか3週間でレース現場に戻ってきたロッシは骨折からわずか3週間でレース現場に戻ってきた ロッシがエンデューロバイクでのトレーニング中に右脚の脛(けい)骨と腓(ひ)骨を骨折したのは8月31日。即座に手術を実施し、1週間後に迫っていたホームグランプリの第13戦・サンマリノGPは欠場を余儀なくされた。復活は最速でも第15戦・日本GPかと思われていたが、驚異的な回復と強靱な精神力を発揮して、今回の第14戦・アラゴンGPでレース現場へ戻ってきた。

 レースウィーク初日、金曜のフリープラクティスは午前から雨が降り、慎重な走り出しになったが、ロッシにとっては週末を走り切れる手応えを掴んだいいセッションになった。ドライではなく、ウェットの走り出しであったことがかえって功を奏したと、この日の走行を終えたロッシは初日を振り返った。

「雨の走行は、ほんの少しのミスで転んでしまうリスクもあるけれども、あまり無理をせずに走れる。肉体的にかなり楽なので助かった。午前と午後の2回のプラクティスを終えて、脚の痛みもひどくなっていないし、腫れてもいない。明日以降は天気がよくなるという予報で、通常のセットアップを試すので、自分のレベルも見極められると思う」

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