佐藤琢磨はホンダの実力派チームに移籍。インディ最終戦はシボレー圧勝 (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 日曜日の決勝レースでも、ニューガーデンの冷静さは素晴らしいものだった。

 逆転王者を狙うパジェノーは4ストップ作戦を選び、1回目のピットストップからレッドタイヤを3連投。これが見事に成功してトップに躍り出た。ライバルより一度多いピットストップを行なってもなおトップを守り、今シーズン2勝目へひた走る。そして、狙った通りにダブルポイント戦での勝利を飾った。

 しかし、チャンピオンの栄冠を掴んだのはニューガーデンの方だった。タイトル獲得経験がないながら終始落ち着いた戦いぶりを見せ、セオリー通りの3ストップ作戦をミスなく走り抜いた。最終戦を2位でゴールすればチャンピオン。その仕事をキッチリとこなし、パジェノーに13点の差をつけて初のシリーズチャンピオンとなった。

 年間王者の栄誉と、タイトル賞金100万ドル(約1億1000万円)を手にしたニューガーデンは、「夢が叶った。しかし、まさかチーム・ペンスキー入りした最初の年にチャンピオンになれるとは考えていなかった。この気持ちをどんな言葉で表していいのかわからない。一緒に働き、戦ってくれたチームメイト、そして2号車のクルーたちに感謝する」と喜びを語った。

 2012年のライアン・ハンター-レイ以来となるアメリカ人チャンピオン。26歳という若さ。これから彼はチーム・ペンスキーで自らの黄金時代を築き上げていくことになるのだろう。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る