ホンダが味わう疎外感。マクラーレンと最後まで、うまくやっていけるか (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「もちろん、それが我々の目指すところではありませんが、オーストリアGPにスペック3を投入して以降は、まともに走れば少なくともポイントは獲れるところまできていましたし、スペック3の投入が6月にずれ込んだこともそれほど大きく失望されたとは思っていません。それよりもむしろ(マクラーレンが失望したのは)信頼性だと思います。グリッド降格ペナルティなど、信頼性の問題ですべてを無にしてしまうというところが大きかったんだと思います」

 こうしてマクラーレンとホンダの提携解消が決まり、正式発表されたこのシンガポールGPからは、お互いの来季に関する情報には相手がアクセスできないようガードが始まり、各セッション前後に行なわれる技術ブリーフィングも車体側とパワーユニット側に分けられた。まず全員でパワーユニットブリーフィングを行ない、ホンダ側スタッフが退出してからマクラーレン側スタッフだけで車体ブリーフィングに入るという流れになった。

 予選や決勝が終わると、しばらくしてホンダのスタッフの姿ばかりが目立つようになったのは、そのせいだった。ホンダのあるエンジニアは語る。

「そりゃ、疎外感を感じますよ。今だってマクラーレンのエンジニアたちはまだブリーフィングをやっているわけですから。セッション中だって、こちらは次がどんなプログラムなのか把握していないから、一瞬何が起きているのかわからないときもありますし」

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