飛び交う噂の真相は?ホンダとマクラーレンが決別したホントの理由 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 それと同時に、ホンダ側もマクラーレンとの提携解消は望むところで、マクラーレン以外のパワーユニット供給先と交渉を始めていた。トロロッソだ。

 ザウバーとの提携解消が決まったころ、ウイリアムズと交渉かと噂されたことがあった。どうしてウイリアムズではなく、トロロッソだったのか――。端的に言えば、ウイリアムズは資金目当てのオファーであり、トロロッソおよびレッドブルからのオファーはそうではなかったからだ。

 山本MS部長はこう語る。

「以前どこかの記事で、トロロッソからの高額の資金的な条件が原因で供給交渉が破談になったという話が出ていましたが、そんなことは絶対ありません。あれは事実ではないし、完全に嘘です。ああいう書かれ方はトロロッソに対してもホンダに対しても、どちらに対しても失礼な話です」

 マクラーレンはルノーへ、ホンダはトロロッソへ、それぞれが自ら選んで円満離婚する。マクラーレンがホンダに見切りをつけたとか、トロロッソへ押しつけたというのは、まったくの誤りだ。

「マクラーレンとともに『ウィン・ウィン』の関係になれるとは思えなかったし、契約があるからと主張して強引にマクラーレンと関係を継続しようとしても『ウィン・ウィン』の関係にはなれない。ホンダとしては、自分たちのイニシアティブで勝負しています。我々は対外的に発信していないから、世の中の人は『ホンダが何もしていない』と思っているかもしれませんけど、話すべき相手とはちゃんと水面下で話をしているし、相手にボールを投げてもらっているという感覚はありません。

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