飛び交う噂の真相は?
ホンダとマクラーレンが決別したホントの理由

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「2015年よりも厳しい状況に見えるかもしれませんが、昨年までのパワーユニット仕様では限界値が決まっていて、将来に向けてマクラーレンとともに頂点を狙っていくためには、それでは無理だったんです。新たなチャレンジが必要だということは、去年の夏ごろにマクラーレンとも話をして決めたことです。ただ、思った以上に我々が苦労しているということもあります。それでも新たな方向は見えてきていますし、今のスペックに切り替えたことについては正しいことだと考えています」(ホンダ・山本雅史モータースポーツ部長)

 2017年はホンダとしては「3年目のシーズン」だが、ある意味では「新たな挑戦の1年目」とも言えた。だから開発に遅れも生じれば、細かなトラブルもあった。

 しかし、マクラーレンはホンダの未完成パワーユニットに失望し、匙(さじ)を投げ、開幕前の段階からメルセデスAMGへのスイッチを模索していた。3月の段階ですでに、メルセデスAMG製パワーユニットの寸法を押し込んだ『MCL32B』という名の設計図さえ制作されたほどだ。

 メルセデスAMGへのスイッチはマクラーレンを除くF1界全体の総意として却下されたが、ホンダに対するマクラーレンやフェルナンド・アロンソの苦言は時に常軌を逸したレベルに達し、ホンダのマネージメント陣もこれには閉口せざるを得なかった。

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