飛び交う噂の真相は?ホンダとマクラーレンが決別したホントの理由 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 信頼性の問題についても、ベアリングやシャフト、オイルタンクといった一部パーツの不具合によるもので、エンジン本体の根本的な設計に問題を抱えていたわけではない。もし年間4基という制約のための封印制度がなければ、走行後に分解点検やベンチ上での確認を行なって未然に防げたトラブルも少なくなかった(現規定下では使用済みパワーユニットに対するこうした作業は禁じられている)。

「3年もやってきて、まだこの体(てい)たらくか?」

 世間からはそんな厳しい声も聞こえてくる。確かにランキング6位まで浮上した昨年の経験が、まったく生かされていないようにも見える。

 しかし昨年3月、長谷川祐介がF1総責任者に就任したホンダは過去2年間を捨て、2017年に向けてまったく新しいコンセプトのパワーユニットをイチから作り直すことを決めた。半年遅れの開発スタートは、そのまま半年遅れのシーズン開幕となった。未完成のまま実戦投入せざるを得なかったのが開幕仕様のスペック1であり、ようやく開幕時点で本来あるべきだった姿に追いついたのが、6月末の第8戦・アゼルバイジャンGPに投入されたスペック3だった。

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