悪質ファンの態度に闘志メラメラ。マルケスが逆転勝利でドヴィに並ぶ (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 イタリアのサーキットは、当然ながらバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)のファンがいつも会場を埋め尽くすが、第13戦の舞台ミザノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェッリはロッシの自宅から15kmほどの距離にあり、まさに彼にとっては庭のような場所である。レース前に右脚を負傷したロッシは今回のレースを欠場したものの、レースウィークのサーキットにはロッシカラーの黄色いTシャツや帽子を被ったファンが大勢詰めかけていた。

 その一部の者たちはマルケスが転倒した際に大喜びし、彼がピットボックスへ戻る際にはブーイングを浴びせかけた。一歩間違えば大事故にもつながりかねないアクシデントでもあえて喜んでみせるような、こういったある種の悪質なファンの姿は特にイタリアのレースでは昔からつきもので、標的となる選手たちも皆プロフェッショナルだけに、表面上は淡々とやり過ごすふうを装っている。だが、底意地の悪い一部観客の態度が、逆にマルケスの心中で密かに闘争心をかき立てさせてしまったのは、彼らにとってはなんとも皮肉な結果である。

 ともあれこのレース結果により、マルケスとドヴィツィオーゾはともに199ポイントの同点でトップに並び立つことになった(形式的には表彰台回数の多いマルケスがランキング首位)。次戦のアラゴンGPは伝統的にドゥカティが苦戦する傾向の強いコースだったが、マルケスは今回のレースウィーク初日の金曜日にこんなことを話していた。

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