ホンダ最後の砦・ディクソンの逆転なるか。インディ王者争いが白熱! (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano photo by Getty Images

 そこへいくと、逆転タイトルの可能性はディフェンディング・チャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)の方がまだ大きい。ワトキンスグレンでは9位と振るわなかったが、残り1戦で差は34点。去年の最終戦ソノマで優勝したのもパジェノーだった。最終戦でドッカーンと好パフォーマンスを炸裂させれば、チャンピオンシップを防衛できる。

 ポイントリーダーのニューガーデンはどこまで有利なのか? ダブルポイントを考えれば、あまり大きな優位はないようにも見える。ワトキンスグレンで犯したミスはプレッシャーによるものかもしれない。

 一方、ディクソンのモチベーションは、もちろんマリオ・アンドレッティ、セバスチャン・ブルデー、ダリオ・フランキッティと並ぶタイトル獲得数タイから抜け出し、AJ・フォイトの7回に次ぐタイトル獲得数「5」を実現することにあるだろう。そのディクソンはソノマで2007、2014、2015年と3回も勝っている。それに対してニューガーデンは未勝利で、トップ3フィニッシュも経験がない。数字からもディクソン優位に見える気がするが......。

 ニューガーデンの戦い方が難しいのは、同じマシンで戦うチームメイトたちにもタイトル獲得の可能性があり、彼らとのバトルに気を遣わなくてはならないところだ。第15戦ゲートウェイでパジェノーに接触して怒りを買ったことも、マイナスに働きそうだ。パジェノーに対しては必要以上に慎重に戦わなくてはならないだろう。

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