「なぜか今日は遅くない」と驚くアロンソ。ホンダの次戦は? 来季は? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「今回のスペック3.7の改良点はターボです。ICE(内燃機関エンジン)自体は3.6と同じものですが、TC(ターボチャージャー)改良の効果で最大パワーが若干上がっています。ただし(3.7という)数字が示しているようにこれはほとんど"管理ナンバー"みたいなもので、開発は道なかばです。いろんなところで『スペック4はまだか!?』みたいな期待値が高まっている状態なので、この程度でスペック4と言うには......というところもありますし」

 スペック3.5では0-100km/hの加速に効く低速トルクが大幅に向上している。ベルギーGPからスタートでの大幅なポジションアップが果たせるようになったのはそのためだ。

 さらにハンガリーGP後のテストでデータ収集を行ない、煮詰めた"予選モード"の制御マッピングをベルギーGPから実戦投入。メルセデスAMGが使っているのと同じように、ICEに負荷がかかるため一時的にしか使用できないが20kW近いパワーアップを果たすことができる。つまり、一時的とはいえルノー製パワーユニットと同等のレベルになるのだ。「HRD Sakura」では耐久テストが行なわれ、決勝でもどれだけ使うことができるのか把握が進んでいる。

 金曜フリー走行でアロンソが「ノーパワー!」と訴えてヒヤリとする場面もあったが、これは単なる操作ミス。しかし、予選Q3のアタック途中でバンドーンのマシンがパワーを失ったのは痛いトラブルだった。

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