インディカーで「内部抗争」か。
若手スターの無茶な走りに王者が激怒

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

"エキサイティングなパスを決めた"と、ニューガーデンは褒めてもらえるとさえ思っていたのだろうが、危険なドライビングという判定の方が妥当に思える。しかし、彼がオフィシャルによってペナルティを課せられることはなさそうだ。なぜなら、ぶつけられたパジェノーがバランスを崩してラインを大きく外れながらも、何とかコントロールを保って3位でゴールしたからだ。

 今年はもうオーバルでのレースはない。しかし、今週末のワトキンスグレンを迎える前にニューガーデンとパジェノーは話し合い、チームメイト同士のバトルでどこまでのことが許されるのか、合意点を見つける必要があるだろう。ニューガーデンは現在のポイントリーダーだが、パジェノーは先輩チームメイトであり、ディフェンディング・チャンピオンでもある。年下だからとペコペコする必要は一切ないが、彼が活躍できる土壌を築いてくれたひとりであるパジェノーに対しては敬意を払うべきだ。

 残るレースはワトキンスグレンとソノマ。どちらか、あるいは両方のレースでこの2人が優勝争いを演じる可能性もある。その時に彼らはどんな接近戦を繰り広げるのか。ニューガーデンが一線を超えたアグレッシブさを見せた時、パジェノーはどう対処するだろうか。舐められないようにと強い態度に出るのか。それともチームのことを考え、同士討ちだけは絶対に回避するという行動に出るのか。

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