中嶋悟も感激のフィナーレ。鈴鹿1000kmで10年ぶりのGT優勝 (5ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 バトンの不運はさらに続く。43周目に起きたアクシデントで導入されたセーフティカー中に他車を追い越したとして、2度目のドライブスルーペナルティを受けることに。その結果、表彰台圏内から一転して12番手まで後退してしまった。

 その後も武藤英紀が担当するスティントでタイヤトラブルに見舞われるなど、TEAM MUGENの苦戦は終わらない。バトンは夕方に差しかかるレース後半の116周目からふたたび乗車し、1分53秒台のラップタイムを連発してライバルと遜色ないペースで周回を重ねるも、135周目に右フロントタイヤがパンクして緊急ピットイン。ここで武藤と交替となり、バトンの初めてのスーパーGTは合計40周を担当して終了した。

 不運続きのレースとなってしまったTEAM MUGENは、最終的にトップから2周遅れの12位でフィニッシュ。ポイント獲得とはならなかった。ただ、ラップタイムを振り返ってみると、バトンのペースは武藤や中嶋にまったく劣っておらず、初体験となったGT300との混走でも安定した走りを披露していた。

「タフな1日だった。レース中は考えることがいっぱいあって。GT300を何度もオーバーテイクしながら、GT500と戦うことに頭と神経を使った。『なんでこんなにサーキットに車がいるんだ!』って感じだったよ。まあ、それが楽しかったわけだけどね」

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