中嶋悟も感激のフィナーレ。鈴鹿1000kmで10年ぶりのGT優勝 (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 テストのときからチームの絶大な信頼を得ていたバトンは、なんと予選Q1を任されることになる。本人も予想外だったようだが、快諾してマシンに乗り込み、Q2進出に向けてタイムアタックに臨んだ。ただ、コース前半セクションでは好タイムを記録していたものの、途中でタイムアタック前の他車に引っかかってしまいタイムロス。これが大きく響き、0.089秒差でQ2進出を逃した。

「デグナーカーブで日産GT-Rの1台に引っかかってしまった。あれがなければ、間違いなくQ2に進めた」

 1レースのみのスポット参戦ながら、真剣に取り組むバトンの悔しがっている表情が印象的だった。

 そして翌日の決勝も、元F1チャンピオンにとっては厳しいレース展開となった。25周目に1回目のピットストップを行ない、中嶋大祐からバトンにドライブが託されたが、ピットアウトの際に後方からピットインしてきたGT300クラスのマシンと交錯。バトンはすぐにブレーキをかけて接触を免れたものの、ピットレーンを走る車両を妨害したとしてドライブスルーペナルティを受けることになった。

「ペナルティをもらったときは、少しフラストレーションがあったね。それまでは3番手を走っていたんだから。それがなければ、もっといい1日で終わっていたかもしれない」

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